糸は脆弱な印象を抱くが、植物や果物を支えるに十分な強度を持ち、吹きガラスが持つ独特の温かみと脆さから導き出させる緊張感は、同様に糸も繊維の温かみとピンと張られた時の緊張感として兼ね備えている。糸が描く繊細な模様は鮮やかな色彩を纏って無限に広がりを見せる。富山の若手ガラス作家3名が一点一点吹き上げた手吹きガラスは、型を用いず一点モノの緊張感を漂わし、製造は100点に限定される。部屋の中で使用されていない時の佇まいもインテリアプロダクトの魅力の一つだと考え、長く生活を共にする上で控えめながらも個性的に主張するプロダクト。
Designer
千葉大学工学部工業意匠学科ならびに同大学院修了、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、デザインプロダクト科修了後、takramとの新製品開発に従事。千葉大学大学院工学研究科特任研究員、同大学国際教育センター特任助教を経て、i.labプロダクトデザイナー。欧州、日本を中心に展示・受賞多数。