Scalar Field of Shoes

靴をはいて「立つ」「歩く」「走る」という行為は、ソールを通して地面とインタラクションすることであり、私たちの身体がそこから多様な情報を取得し続けているのと同時に、その一歩一歩は肉眼では見ることのできない圧力場を床面に生成し、周囲に確実に影響を与え続けている。その意味で、ソールのパターンや構造は靴のデザインの本質であるが、ソールそのものが注目されることはあまりない。 「Scalar Field of Shoes 」は、靴のソールが作り出す「見えない影響力」を圧力場という側面から映像化し、シューズデザインへの新しい眼差しを提供する。ソールが作り出す圧力伝播のパターンは自然の造形美で、足元に見えない絶景が生成されていることに気がつく。 独自開発した流体シミュレーションの並列処理により圧力の可視化を実現。これはデザインを解釈する言語としてハイテクノロジーを位置付ける提案でもある。

Akira Wakita

脇田玲

Artist / Engineer

「フィジカリティ」をテーマとして流体シミュレーションによるリアルタイム映像や色彩を制御できるマテリアルの製作を続けている。特に近年は、流体力学や熱力学のモデルに基づく独自ソフトウェアを開発し、科学と美術を横断するビジュアライゼーションに注力している。慶應義塾大学環境情報学部教授。

http://akirawakita.com
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